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【報告】第13回「資源・素材・環境」技術と研究の交流会

関東支部
第13回「資源・素材・環境」技術と研究の交流会 報告

資源・素材学会関東支部では、産官学の学生、若手研究者および技術者が交流する場の提供を目的として、「資源・素材・環境」技術と研究の交流会を行っている。13回目の今年は、2016年8月3日(水)の午後、学生61名、大学・研究機関13名、企業他から53名の計127名のご参加をいただき、つくば国際会議場多目的ホールにて開催した。今回は初めてのつくば開催ということで参加者の減少が心配されたが、関係各位のご尽力により昨年と同様の参加者数、ポスター発表数となった。当日のプログラムは表1の通りである。昨年の成功例に倣い、基調講演は行わずにその時間をポスターセッションと企業セッションに割り振ることで、交流のための時間を多めに取る形式とした。
田中支部長の開会挨拶の後、学生・若手研究者によるポスター発表を実施した。本年度の発表件数は53件であり、限られた時間の中、熱心な意見交換の姿が見られた(図1)。学生にとって、自らの研究内容を企業や研究所の研究員、他大学の教員などに説明し、フィードバックを得られる機会は大変貴重であり、有意義な時間となったと思われる。また、企業の方々には、発表内容についての議論を通じて、今時の学生の能力・気質を知るよい機会になったと思われる。
本ポスターセッションでは、大学・研究機関、企業等からの参加者による審査・投票に基づき5件の優秀ポスター賞(表2)を選出した。受賞者には副賞として、資源・素材学会学生会員の年会費支援、ならびに資源・素材学会秋季大会(9/13-15、岩手大学)への参加費用支援を得る権利が授与された。受賞者の内、4名が本支援を受け秋季大会に参加している。秋季大会の参加者からは自らの発表に限らず熱心に興味のあるセッションの聴講等を行い、非常に有意義であったとの報告を得ている。
続いて、ブース形式による企業セッションを実施した。今回は民間8社並びに独立行政法人1法人より計9ブースの出展があった。昨年と同様に、ブースセッションの開始前に出展各社より会場ステージにて5分間の企業紹介のプレゼンテーションをして頂いた(図2)。学生から見れば回りきれない企業の情報を得ると共に、どのブースに向かうかの判断材料として大変有効であったと思われる。各社のプレゼンはいずれも中身の濃い熱の入った内容であり、学生のみならず一般参加者にとっても非常に興味深く有意義であったと確信する。筆者個人としては、もう少しプレゼンの時間を長く取ってもよかったのではと感じた次第である。その後、20分間のブースセッションを4回繰り返して実施した。学生参加者が熱心に各ブースを回る姿が見られた(図3)。
2つのセッションが終了した後、さらなる交流を目的として、つくば国際会議場内レストランにて意見交換会を実施した。冒頭は学生と社会人が分かれてしまうような状況も見られたが、時間の経過と共に両者が打ち解け交流する姿が各所で見られた。資源・素材学会副会長である大和田教授のご挨拶、優秀ポスター賞の表彰式などを行った後、森田副支部長の閉会の辞を持って意見交換会を終了した。
2つのセッションでの学生の研究、社会人側からの実際の業務の説明という双方からのプレゼンテーション、さらには意見交換会を通じて、産官と学生の交流という本交流会の目的は十分に達せられたものと考えている。最後に、学生及び企業参加者、企業プレゼンテーション講演者、実行委員の皆様、会場準備等にご協力頂いたスタッフ各位に心より感謝申し上げます。
(文責 産総研 古屋仲 茂樹)


図1:学生・若手研究者によるポスター発表の様子


図2:企業プレゼンテーションの模様


図3:企業ブースセッションの様子

当日のプログラム
13:00~13:05 支部長挨拶
13:05~14:30 学生・若手研究者によるポスターセッション
14:30~14:45 休憩
14:45~15:30 ブース出展各社によるプレゼンテーション(5分間×9回)
東邦亜鉛㈱/三菱マテリアル㈱/日鉄鉱業㈱/(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)/住友金属鉱山㈱/古河機械金属㈱/DOWAホールディングス㈱/三井金属鉱業㈱/JX金属㈱
15:30~15:40 休憩
15:40~17:10 ブースセッション(20分間×4回)
17:30~19:30 意見交換会 (つくば国際会議場内レストランエスポワール)

優秀ポスター賞一覧
東京大学 櫻井 友太
製鋼スラグの海水への溶出に及ぼす炭酸化処理および有機酸の影響
東京大学 上村 源
選択塩化揮発法による電気炉ダストの亜鉛のリサイクル
千葉工業大学 安樂 祐哉
PIV法を用いた銅電解中の電極近傍の流速測定
早稲田大学 武藤 研一
腐葉土を用いた鉱山廃水に含まれる亜鉛除去の定量モデル化
早稲田大学 永瀬 萌
衝突音の発生頻度に着目したドラム型衝撃式破砕機における廃電子基板の剥離粉砕状況の解析