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「第17回資源・素材学会 東北支部 若手の会」の報告

第17回 資源・素材学会東北支部 若手の会

 

会長   鴨志田 直人(岩手大学 理工学部)

実行委員 晴山   渉(岩手大学 理工学部)

実行委員 関本  英弘(岩手大学 理工学部)

 

1.概要

【日時】令和6 年11月10日(日)~ 11月11日(月)

【会場】新安比温泉 静流閣 (〒028-7533 岩手県八幡平市叺田43-1)

【参加者数】47名 (大学教員: 15名、企業技術者・研究者:2名、学生:30名)

 

2.プログラム

【11 月10日(日)】

13:10-13:15       資源・素材学会東北支部 支部長 挨拶  (東北大学 高橋英志 先生)

13:15-13:20        若手の会会長 挨拶 (岩手大学 鴨志田直人 先生)

13:20-13:35            (受賞者講演1) 秋田大学・菅原 健太 氏

13:35-13:50        (受賞者講演2) 東北大学・田村 諒太 氏

13:50-14:05            (受賞者講演3) 東北大学・茂田井 大輝 氏

14:05-14:20            (受賞者講演4) 東北大学・浅見 椋斗 氏

14:20-14:35            (受賞者講演5) 東北大学・加賀野井 晶千 氏

14:35-15:05            休憩

15:05-15:30            (若手技術者講演)  小坂製錬株式会社 北岡 駿一 氏

15:30-15:55       (若手研究者講演)  JOGMEC金属資源技術研究所 近藤 正隆 氏

15:55-16:10            集合写真撮影、部屋鍵の配布

16:10-17:30            入浴・ポスター発表会場準備など

17:30-18:30        夕食

18:30-21:00            研究紹介ポスターセッションおよび表彰式

【11月11日(月)】

8:45                          静流閣発 (バス移動)

9:30-11:00              尾去沢鉱山坑道見学および砂金採り体験

 

3.実施内容

1) 支部春季大会受賞者講演

新幹線に遅れが生じたため、20分遅れのスタートになりました。今年度の資源・素材東北支部春季大会で優秀ポスター賞に輝いた5名の学生による受賞講演が行われました。「浮遊選鉱法を用いた亜鉛製錬浸出残渣からの鉛とシリカの分離」、「生分解性キレート剤を用いたCO2地中貯留・鉱物固定促進法の粘土鉱物を含有する玄武岩質火山性砂岩に対する適用」、「硫黄プラズマを用いた反応性スパッタリングによる硫化物薄膜の作製」、「電気化学解析を基礎とした液相還元法における銅ナノワイヤの高アスペクト比化」、「生分解性キレート剤を用いたCO2地中貯留・鉱物固定促進法における鉱物溶解現象のモデル化」、「大気中における水系前駆体溶液からのヨウ化スズペロブスカイト光発電層薄膜の形成」についての講演が行われました。それぞれが優秀ポスター賞の受賞者ということもあり、異分野の学生に対しても分かりやすい丁寧な発表が行われました。関連分野の教員や異分野を研究する学生からも質問やコメントが多く飛び出し、活発な議論の場となりました。また、質問などに対して、受賞者は研究について自信を持って受け答えができており、今後の全国大会の学会発表においても活躍が期待されます。

 

2) 若手研究者・技術者講演

資源・素材に関連する企業に所属されている北岡駿一氏(小坂製錬株式会社) 、近藤正隆氏(独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構 金属資源技術研究所)の2名から、ご講演をいただきました。学生時代の研究内容、就活時の様子、現在の業務内容、自分が学生時代を振り返って思うことなど、学生に向けて様々メッセージを含むご講演でした。今後就職や進学を目指す学生にとって、非常に貴重な講演となりました。本講演を聞いた学生が、将来資源・素材分野の若手技術者・研究者として活躍してくれることを期待いたします。

 

3) ポスターセッション

夕食後に行われたポスターセッションは、ポスター発表を希望した27名(D:2名、M2:3名、M1:15名、B4:7名)の学生が、奇数番号と偶数番号の2グループに分けて、それぞれのコアタイム(各40分)で発表した後に、フリーディスカッションタイム(40分)を設ける形式で行われました。ポスター会場には、夕食時には出なかったお酒も準備され、楽しく盛り上がりながら、熱心なディスカッションが行われました。参加者全員の投票により、ポスター賞として以下の4名が表彰されました。

 

森田 航世 (東北大学・M1)

「白金触媒に代わる電極触媒への応用を目指した下水汚泥由来炭素材料の構造評価」

豊田 美礼 (東北大学・M1)

「銀被覆銅ナノワイヤを透明導電膜としたペロブスカイト太陽電池の開発」

坂本  翔 (東北大学・B4)

「銅マイクロプレートの低温焼結特性発現を目指した液相還元法における厚さ制御」

佐藤 克哉 (秋田大学・M1)

「アミン浸出によるCu精鉱からの選択的Pb浸出条件の検討」

なお、一般会員の有志から寄付を頂いたお金で副賞を準備していましたが、投票同数で急遽4名表彰となったため、副賞は3名分しか準備されておらず、ジャンケンにより3名に副賞を贈呈しまいた。

 

4) 尾去沢鉱山坑道見学および砂金採り体験

2日目は会場(新安比温泉)からバスで30分ほど移動した場所にある秋田県鹿角市の史跡尾去沢鉱山を見学しました。ここでは、近代に掘られた坑道と江戸時代に掘られた坑道の約1.1kmを2グループに分かれて見学しました。年代ごとの坑道がそのまま残っており、時代ごとの金と銅の採掘方法が見られる興味深い見学となりました。坑道見学の後は、砂金採り体験を行いました。11月の水の冷たい時期ではありましたが、参加者全員、必死になって金を探しました。金は砂よりも比重が大きいため、水の中で砂を振ると金が皿の底に沈み回収できます。40粒で約1gとのことでしたが、少ない人は1~2粒、多い人は10粒程度取れており、大盛り上がりの体験となりました。

 

会の様子はこちらからご覧ください。