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天然資源の市場環境等を長きにわたって扱ってきた資源経済部門委員会と、2017年に資源・素材学会の部門委員会として社会全体の資源利用について包括的に考えるために設立された包括的資源利用システム部門委員会については、この2つの部門委員会の取り扱うテーマが密接に関わることが唯一の懸念材料でした。前者は天然資源の鉱山開発など、鉱山開発の現場に近い問題、市場の問題等を、後者はサーキュラー・エコノミー等の昨今社会全体からの要請が強まる資源利用の問題、と言う切り分けでしたが、やはり一体化して考えていくべきであるという結論に至りました。そこで、2023年の3月にこの2つの部門委員会を統合し、資源社会システム部門委員会と新しい名称で再出発することとなりました。

SDGsなどでも天然資源のより効率的な利用が望まれる中、これまでにも我々の社会は資源利用の効率化のために様々な努力を図ってきました。他方で、例えば個別プロセスの歩留まりの向上、特定の使用済製品や特定金属のリサイクルなど、どうしてもこれまでの取り組みがボトムアップ的でありこれらをどう組み合わせていけば社会全体の資源利用効率が最適化されるかについての検討は未だ不足がちです。
例えば欧州主導のCircular Economy(CE)の実装は目を見張るものがありますが、これよりも前から我が国が循環型社会形成のために取り組んできた様々な取り組みは個別にはそれを上回るものも多くあります。
また企業の評価ではESG(Environmental, Social and corporate Governance)と言った視点に注目が高まっているなか、環境側面だけではなくより社会的な側面にまで含めた責任ある原料調達が求められる中、資源問題に多面的に取り組んできた本学会には社会的、技術的な様々な知見があります。

これまで資源経済部門委員会が取り組んできた鉱山開発現場の社会・経済的な問題に対する知見、包括的資源利用システム部門委員会が取り組んできたCEの社会実装やそれに関する諸問題に関する知見、これらを一体化することで、広い意味で資源利用に関する社会システム設計に資するような調査・研究に取り組もうとしております。包括的に資源利用のあり方を考えるべく、これまでの資源・素材学会の既存の部門委員会よりも幅広いテーマについて扱っていきます。
2023年に改めて立ち上げ直すことにまりました。これ前ご参加頂きました皆様、改めてご興味ご関心お持ち頂いた皆様、ご参加をお待ちしております。

2023年3月 部門委員会幹部一同