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第45回コロージョン・セミナー

現在,高度経済成長時に建造された橋梁や道路など,社会資本の経年劣化が大きな問題となっています。国は国土強靱化を掲げ,社会資本の劣化・損傷の程度を的確に評価し健全性を適切に維持管理して,人々の安全安心を支えるとともにサステイナブル社会の構築を目指しています。その中で,様々な環境におかれた材料の腐食・損傷の検出や進行度・余寿命の評価など,腐食防食研究者,技術者の果たす役割が今後ますます重要になるといえます。さらに,今後は,ときには見えない場所で発生している腐食損傷を検知して適切な防食対策を提案すること,人間の平均寿命をはるかに越えるような超長期の腐食寿命を評価することなど,極めて複雑で多角的な解析を必要とする腐食問題に対応することが求められてきます。そのため腐食防食に携わる研究者,技術者には,使用環境や状態,材料との組み合わせに応じて腐食原因を特定し適切な防食対策を提案できる,しっかりとした技術力と状況判断力を備えることが期待されています。
そこで本セミナーでは「サステイナブル社会を支える腐食防食エキスパートを目指して」を主題として,腐食現象,腐食機構を基礎から理解し,今後直面するであろう様々な腐食問題に対応できる腐食防食エキスパートとしての素養を醸成することを目標としています。今回のセミナーでは,はじめに腐食現象を理解するための電気化学と電気化学測定法の基礎について学習し,さらに,簡単な電気化学計測実習をとおして腐食反応を電気化学的に解釈する基本を理解します。続いて,種々の腐食環境における各種金属材料の電気化学反応特性について,実測例などのデータに基づき解析し,それぞれの材料の特徴について学習します。仕上げとして,受講者それぞれが実際に電気化学測定を体験し測定データを解析することで,腐食反応特性の評価を行います。また,グループ討論や発表を行い,様々な観点からの議論をとおして腐食評価方法やデータの解釈について深く理解することを目指します。これからの腐食防食を支えるエキスパートのたまごとなるような学生,若手研究者,腐食防食の実務に関わる技術者の方々まで,多数のご参加を心待ちにしております。

主 題

サステイナブル社会を支える腐食防食エキスパートを目指して
―腐食反応の基礎と電気化学測定に基づいた腐食反応解析法の理解―

主 催

腐食防食学会

協 賛

資源・素材学会ほか

開催日

2018年8月1日(水)~3日(金)

会 場

幕張国際研修センター(千葉市美浜区ひび野1-1)

参加費

会員(協賛会員含む):45,360 円,学生会員:34,560 円,会員外:57,240 円
宿泊費および食費(消費税込み):25,920 円

プログラム

[8月1日(水)]
1.金属の腐食反応を理解するための原理・原則,測定法の理解
1-1 腐食を理解するための電気化学の基礎
大阪大学 土谷博昭
1-2 電気化学計測実習による腐食評価の実際
国立研究開発法人物質・材料研究機構 川喜多 仁

[8月2日(木)]
2.各種金属材料の腐食反応特性の理解
2-1 普通鋼
新日鐵住金株式会社 長澤 慎
2-2 ステンレス鋼
株式会社IHI 榊原洋平
2-3 アルミニウム
株式会社UACJ 大谷良行
2-4 亜鉛 ,銅
東京工業大学 多田英司
2-5 各種実環境下における鋼材の腐食と防食
株式会社ナカボーテック 星野雅彦
3.電気化学計測と腐食データの解析実習
全委員

[8月3日(金)]
4.グループ討論
全委員

申込方法

腐食防食学会ホームページよりお申込下さい。
https://www.jcorr.or.jp/yotei/45corro.html

問合せ先

〒113-0033 文京区本郷2-13-10
腐食防食学会
TEL 03-3815-1161  FAX 03-3815-1291  E-mail naito-113-0033@jcorr.or.jp