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神奈川県立産業技術総合研究所:病理学的見地にもとづく化学物資の有害性評価【2019年6月13日(木)~2020年3月5日(木)計10日間開催】

WSSD(持続可能な開発に関する世界首脳会議)の目標である「化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されることを2020年までに達成する」に向け、2006年に国際合意されたSAICM(国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ)に沿ったリスク最小化の取り組みが世界的に加速しています。EU・REACHでは、予備登録をした年間1~100トン未満の段階的導入物質について、2018年5月末で登録猶予期限が満了しました。移行期間が終了し、EUにおいて事業を展開している日本企業は今後の対応を迫られており、大きな転換点を迎えています。
こうした状況下で、化学メーカーは、製造者責任として、製造する化学物質のヒト有害性を正しく理解しておくことが、ますます重要になっています。しかし現実には、一部大手を除き、病理学・毒性学の専門家を擁する化学メーカーは極めて少なく、SDS/GHSにおける反復投与毒性試験、発がん性試験等のデータについて病理学的知識を有して理解できる人材の育成は急務となっています。

主催

地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所

後援

資源・素材学会ほか

開催日

2019年6月13日(木)~2020年3月5日(木)計10日間

コースのねらい・特色

● 製造者責任として、化学物質のヒト有害性を正しく理解するために必要な基礎知識を整理します。
● 化学物質は人体にどのような影響を与えるのか、どのように有害性評価されているのか、化学系の出身者等、病理学を学んだことのない方にもわかりやすく解説します。
● 病理学を身近に感じられるよう、一般的な疾病にも触れながら、各器官の仕組み、化学物質の作用機序、試験データの読み方、NOAELの決定等を学習します。
● 2019年度の本カリキュラムでは、1年間で全臓器を網羅します。

カリキュラム編成者・講師

化学物質リスク評価研究所 代表 西 川 智
(医学博士・獣医師・認定毒性病理学専門家・認定獣医病理学専門家)

会場

かながわサイエンスパーク内 講義室  (川崎市高津区坂戸3-2-1)

募集人員・対象者

15名(少人数制を維持するため、申込多数の場合は2クラスに分けて実施する場合があります。)

たとえば、このような方にご受講をおすすめします。
●化学物質を製造、または使用しているメーカー等にご所属で、化学物質のヒト有害性評価について、病理学の基礎から学びたい方。
●調査機関、公的研究機関、行政機関等にご所属で化学物質のヒト有害性評価にご関心をお持ちの方。

受講料

区分 A 一般 神奈川県関係割引
B・ KISTECパートナー団体会員C・ 神奈川県内中小企業 D・ 「B」以外の神奈川県内企業E・ 神奈川県内在住の個⼈の⽅
全日程 105,000円 84,000円 94,500円

カリキュラム内容および日程

第1日  オリエンテーションおよび有害性評価の基礎
13:15~17:15 オリエンテーション: 社会的背景と化学物質規制の意義
有害性評価の基礎:28日反復投与/発がん性/化審法の要求投与ルートに基づく経口投与による評価
人体のしくみ: 各器官の仕組みと機能、化学物質による生体への影響
7月11日(木)第2日  消化器
13:15~17:15 胃や十二指腸から門脈を通して吸収される物質と吸収されずに糞便排泄される物質の障害を考える
8月22日(木)第3日  肝臓
13:15~17:15 門脈系から肝臓に入ってきた物質の類洞・肝細胞での分解・解毒・代謝過程における障害を考える
9月12日(木)第4日  腎臓
13:15~17:15 心肺循環から大循環に入った物質が腎臓・膀胱で再吸収・尿排泄される際の障害を考える
10月10日(木)第5日  生殖器系・内分泌系
13:15~17:15 精巣,精巣上体(以上オス)子宮,卵巣(以上メス),下垂体,甲状腺,副腎等の障害について学習する
11月7日(木)第6日  呼吸器系・神経
13:15~17:15 肺、気管支、鼻腔、中枢神経、末梢神経等の障害について学習する
12月5日(木)第7日  造血器
13:15~17:15 血液・骨髄・脾臓・胸腺・リンパ節等の障害について学習する
1月9日(木)第8日  肝臓Ⅱ
13:15~17:15 第3日目の講義でカバー出来なかった肝臓障害について復習も含めて学習する
2月6日(木)第9日  腎臓Ⅱ・膀胱
13:15~17:15 第4日目の講義でカバー出来なかった腎臓・膀胱障害について復習も含めて学習する
3月5日(木)第10日  循環器・運動器・感覚器
13:15~17:15 心臓・骨・筋肉・皮膚・目等の障害について学習する。講義終了後、意見交換会を開催。

問合せ先

地方独立行政法人 神奈川県立産業技術総合研究所
人材育成部 教育研修課 教育研修グループ
TEL : 044-819-2033 FAX : 044-819-2097
E-mail:ed@newkast.or.jp