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第73代会長-土田直行

一般社団法人資源・素材学会  第73代会長  土 田 直 行
(住友金属鉱山株式会社 顧問)


(2018年3月28日 定時社員総会にて)

本年度,資源・素材学会の第73 代会長に就任いたしました住友金属鉱山株式会社・土田と申します。
私も一技術者として,当学会に長きにわたりお世話になり,また多くの学会員の諸先輩方の薫陶を受けてまいりました。この度会長という重責ではありますが,少しでもご恩返しができることを心から感謝申し上げる次第です。
また,今年度は熊本大学の尾原先生,東京大学の月橋先生のお二人を副会長に迎えることができ,共にこの伝統ある資源・素材学会が益々の発展を遂げられるよう,一致協力して努力する所存でございます。どうか皆様のお力添えをよろしくお願い申し上げます。今回,この伝統ある資源・素材学会において会長の大役を仰せつかりまして責任の重大さに身の引き締まる思いです。
さて,先ずは本日退任されました大和田前会長と田中前副会長のご功績に対して厚く御礼を申し上げます。
大和田前会長におかれましては,『将来構想委員会』を立ち上げられ,国際化と連携をキーワードに,持ち前の瞬発力で各方面と折衝を重ね,産業界と学会の対話の礎を築いて頂きました。また,国際化では昨年の札幌秋季大会においてEARTH との共催を成功に導いて頂きました。また,田中前副会長におかれましてはこれまで長年手がつけられていなかった規約の見直しに精力的に取り組まれ,現状にそぐわない制度の改善を進められました。さらに,春季・秋季大会の見直しも具体的な方向性が見えてきました。
さて,非鉄産業界を取り巻く環境は資源ナショナリズムの台頭や原料鉱石の低品位・高不純物化などますます厳しくなっています。一方,国内に目を向ければ,大学における『非鉄』関連学科は年々少なくなり,学生への就職希望調査では,『非鉄産業』は残念ながら不人気分野になってしまいました。このままでは,資源素材業界への将来的な人材供給も危ぶまれるところです。さらに,資源・素材学会の会員数は年々減少傾向にあり,昭和30 年代には約8,000 名が在籍していましたが,足下は2,000 名を下回っています。
今年度は会長といたしまして,前会長の大和田先生が提唱されました,『国際化』と『連携』を引き続き踏襲して参る所存です。学会が置かれている現状に危機意識を持って,将来の発展を見据えた議論を産業界と大学・学会で深めたいと思います。また,支部レベルでの産学連携も学会の価値向上から模索してゆきたいと思います。
『国際化』ではアジアに目を向け,交流できる環境整備を議論したいと思います。確かに日本の中だけを考えれば,資源・製錬は絶滅危惧種でありますが,広く世界を見渡せば,発展途上と言えます。
最後になりますが,前年度において事務局長を13 年間勤められた岡部進様が退任されました。岡部前事務局長の功績を挙げれば限りがありませんが,資源・素材塾を始め当学会の発展に多大な貢献をして頂いたことは,皆様も御承知の通りでございます。ここに岡部様の長年のご苦労に感謝申し上げたいと思います。
私どもはこれから1 年間,副会長,理事の皆様とともに資源・素材学会の更なる発展に尽力してまいる所存ですので,皆様のなお一層のお力添えをいただきますようお願い申し上げて,私の挨拶とさせて頂きます。