一般社団法人資源・素材学会 第76代会長 高橋 弘
(東北大学大学院環境科学研究科教授)
(2021年3月26日 定時社員総会にて)
本日の理事会にて資源・素材学会の第 76 代会長に任命されました東北大学の高橋でございます。
2021 年度の会長就任にあたり一言ご挨拶を申し上げます。
1885 年の設立以来 136 年の長い歴史と伝統を持ち,資源・素材分野の発展に貢献してきました
資源・素材学会の会長という重大な責任を担うこととなり,大変緊張するとともに身の引き締まる
思いをしております。幸い 2021 年度は愛媛大学の武部博倫先生と住友金属鉱山株式会社の朝日 弘様
のお二人の副会長にご協力いただき,資源・素材学会のますますの発展に向けて努力いたす所存です
ので,引き続き会員の皆様には,ご支援,ご協力を宜しくお願い申し上げます。
本日,会長を退任されました澤村一郎様にはこの一年間のご尽力に対し厚く御礼申し上げます。
澤村様におかれまし
ては,会長として強力なリーダーシップのもと,資源・素材学会をよりよい方向へ導いていただきました。
特に昨年度はコロナ禍において多くの学協会が全国大会を中止する中,本学会としては初となる
オンラインでの秋季大会を開催されたことは特筆に値すると思います。初めての試みで様々な困難
な点がありましたが,初のオンラインでの秋季大会を成功裏に終えることができたのは,会長の
強力なリーダーシップによるところが大きいことは誰しもが認めるところだと思います。
また大会の運営に関わって頂いた多くの会員・事務局の協力の賜物であるとも感じています。
さらに澤村様は「将来構想会議」の委員長としても精力的に活動され,その目玉とも言える学会
長期テーマプロジェクトを具体化し,公募を開始する段階まで進められた功績は極めて大きく,
深く感謝申し上げる次第です。
2021 年度はこの学会長期テーマプロジェクトの研究をスタートさせ,軌道に乗せるとともに
次の学会長期テーマプロジェクトのシーズが出せるよう努力していく所存です。
また 2020年度の副会長を務めて頂きました武部先生におかれましては,学会長期テーマプロジェクトの
リーダーとして大変ご尽力いただきました。さらに奨学表彰委員長として学会活動の発展,運営にも大変
ご貢献いただきました。ここで御礼を申し上げるべきところではありますが,武部先生にはもう一年,
副会長として至らない私をお助けいただき,学会運営のためにご尽力いただけることになりましたので,
是非ともよろしくお願い申し上げます。
特に学会長期テーマプロジェクトは,本年度,いよいよ本格的な研究がスタートすることになります。
本プロジェクトが軌道に乗るまで,引き続きご尽力いただけますよう宜しくお願い申し上げます。
さて,本学会は資源・素材に関する調査・研究や教育・人材育成など多くの事業を行っておりますが,
資源・素材分野を取り巻く環境は産業分野,学術分野ともに厳しい状況にあるといえます。しかし,
モノづくりの原点は資源・素材であり,資源・素材は全ての製造業の基盤であることは間違いありません。
その意味では,本学会は必要不可欠な学会であり,社会の持続的発展のために資源・素材分野の
プレゼンスをより高めていく必要があると感じています。
前澤村会長も就任のあいさつの中で,持続可能な社会の構築の重要性を述べられておりましたが,
持続可能な社会を築いていくためには,資源や素材の安定給供給,資源の有効利用や環境を配慮した
資源循環,高機能性材料の開発などが必須であります。
「将来構想会議」で議論してきた学会長期テーマプロジェクトは,まさにこれらの課題に解を与えるもの
として期待しております。
ところで,学会としての目的を達成し,学会のプレゼンスを高めていくためには人材育成は欠かせません。
人材育成は「将来構想会議」の中の 1 つのテーマでありますが,有能な研究者・技術者を育てることは
もちろん,もっと若い世代の子供達にも資源・素材の魅力を伝え,資源・素材分野に興味を持ってもらえる
ような取り組みが必要であると感じています。
これから一年間,副会長,理事の皆様,会員の皆様のご協力いただき,資源・素材学会が発展するよう
微力ながら務めますので,皆様方のご助言,ご指導をよろしくお願い申し上げ,私の挨拶といたします。